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2023/12/14 10:08

生活に彩りを。


― 木のおもちゃと、暮らしにやさしい美しさを


日々の暮らしに、そっと寄り添う「彩り」がある。

それは、にぎやかに着飾る装飾ではなく、ほんの少し心がやわらぐような、静かな感動。

私たちが届けたいのは、そんな“生きた彩り”です。

 

木のおもちゃは、その小さな姿のなかに、つくり手の技術と心が宿った特別な存在です。

自然素材である木がもつ、ぬくもり、やさしさ、あたたかみ。

それらは、言葉を使わずとも、人の心に語りかける力を持っています。

    

木のおもちゃに触れるとき、私たちは「五感」を通して豊かな体験をしています。

 

まず、手に伝わるやさしい質感。

すべすべした面、節の手ざわり、指にしっくりと馴染む感触。


視覚的にも美しい木目の表情は、二つとして同じものがなく、個性と自然の力強さを感じさせてくれます。

 

耳を澄ませば、木と木が触れ合うときに生まれる、カタン、カラリという心地よい音。

電子音にはない、安心感をもたらすアナログな響きは、赤ちゃんにも心地よく、静かな集中を生み出します。

 

そして、忘れてはならないのが「香り」。

木が放つ自然な香りには、リラックス効果があると言われています。

ふとした瞬間に漂う木の香りが、忙しい日常のなかで深呼吸を促し、気持ちを整えてくれるのです。

 

さらに、「味覚」もまた、小さなお子さまにとっては大切な感覚のひとつです。

口に入れて確かめたくなるのが赤ちゃんの自然な行動。

だからこそ、木製のおもちゃには“安心して口にできる素材”であることが求められます。

安全な塗料や無塗装の木を使用したおもちゃは、そうした成長段階にもやさしく寄り添ってくれる存在です。

 

五感すべてを使って感じることで、木のおもちゃは単なる「道具」ではなく、

心に触れる「体験」そのものになります。

 

そして、私たちが大切にしていることのひとつが、「大人が愉しむこと」。

大人が本気でおもちゃに向き合い、笑い、工夫し、驚く――

その姿を見て、子どもたちも自然と安心し、自分も遊んでみたいと感じるようになります。

 

遊び方は、ひとつではありません。

同じおもちゃでも、年齢や発達、個性によってさまざまな遊び方が生まれます。

回してみる、重ねてみる、見立ててみる。

一人ひとりが自由に発想し、想像の世界を広げていくなかで、「正解」のない創造が育まれていきます。

 

そんな自由な遊びのなかに、子どもたちの成長の瞬間がたくさん散りばめられています。

ある日突然、積み木を高く積めるようになっていたり、言葉にならなかった感情を表現できるようになっていたり。

おもちゃを通して、親が子どもの「今」を知り、「昨日との違い」に気づく。

それは、一日一日を大切に過ごした喜びになります。

 

私たちは、木のおもちゃを通して、そんな時間を届けたいと願っています。

 

大量生産されたものにはない、手仕事の温もり。

“選ぶ”のではなく、“出会う”ように届いてほしい。

私たちの願いは、その一つひとつが、誰かの暮らしのなかにそっと寄り添い、

思いがけない「彩り」となって広がっていくことです。

 

                                            木のおもちゃBloom

                                            店主 鹿島理恵